コロナ禍で巣ごもり需要が高まる中、昨今爆発的に流行している
「TRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)」
言葉のとおり、トーク(会話)をキッカケに進行するアナログゲームですが
需要の高まりを受けて、今では多くのTRPGに関連したシナリオや、動画・生配信が公開されています。
“シナリオ制作に興味がある”
” YouTubeでTRPGの配信を始めてみたいな”
気を付けてください。
「TRPG二次創作活動ガイドライン」を知らないと、せっかく作ったコンテンツがガイドライン違反で削除される可能性があります。
TRPGに関する活動をこれから始める人に、ガイドラインがどのような内容か簡単に説明します。
概要
「TRPG二次創作活動ガイドライン」とは
TRPGのルールブックなどを出版している6社が合同で策定したものです。
決して二次創作を抑止するものではなく
あくまで創作物の無断転載や、原著作者および出版元/発売元の
権利侵害を防止することが主な目的です。
これまではルールブックの内容などを転記したWebサイトや
二次創作シナリオの無断での三次創作などが黙認されていました。
それらを合法的に取り締まるため、二次創作物を一元管理し
著作侵害から守ろうという取り組みです。
対象の二次創作物
- 改変あるいは追加したルールや
ゲームを遊ぶために使用するデータ - シナリオ
- リプレイ
- 小説
- 漫画
- 絵画
- 舞台
- 立体造形物
- 動画
- 音楽
- ソフトウェア
何が変わるの?
公式を騙ることはもちろん、ルールブックなどの内容を引用の範囲を逸脱してWebサイトなどに掲載することも禁止となります。
気を付けなければならないのは、原著に使用されたマークやフォントを使用することも、公式頒布物と誤認される可能性があり、削除対象となります。
また、二次創作物には原著の権利表記が必須となりました。
詳しい内容や表記例は、ガイドラインをご確認ください。
スモールパブリッシャーリミテッドライセンス(SPLL)
二次創作物の有料頒布や、動画配信サイトでの有料配信を行うには、ライセンス料を支払い契約締結することが必須になりました。
そのライセンスが「スモールパブリッシャーリミテッドライセンス(SPLL)」です。
しかし、ライセンス取得が必要な創作物には一定の条件があります。
SPLLが必要な二次創作物
- 紙媒体・グッズ類
…「製造数×頒布価格」が20万円(税込み)以上になる場合。 - 電子出版物
…電子出版による二次創作物を有償で頒布する場合。 - サブスクリプションサービス
…1年間の購読料の合計が20万円(税込み)以上に達した場合。
上記条件に当てはまる創作物・活動で、SPLLを取得していない場合、ガイドライン違反として削除対象になります。
有償ライセンスについても、今まで黙認されてきた二次創作活動を統制する一環として策定されたものですが、突然の発表に当初は賛否両論ありました。
ですが、自分たちの作品を守ってもらうためであり、今後のTRPG業界への投資だと受け取るのが、結果的に相互扶助となるのかなと思います。
さいごに
TRPG業界は多くの作品が発表されているとはいえ、まだまだ現代的なブルーオーシャンの印象があります。
プレイヤーの想像力によって無限の面白さを持つTRPGに、今後商業的な側面が更に発展してゆくことは自明でしょう。
“この機を逃さず早期参入したい!”
“活動者になって配信して有名になりたい!”
そんなときこそ自分や作品のために、一度立ち止まってガイドラインを一読しましょう。